
模倣品はメーカーと消費者間の問題でそれ以外は基本的にあまり関係ない。
そう考える人は少なくないかもしれません。しかし模倣品の問題はブランドの権利侵害だけではありません。
2026年1月にOECDとEUIPOが公表したレポート「From Fakes to Forced Labour(模倣品から見る強制労働との関連性)」では、模倣品の製造現場と強制労働・児童労働との間に統計的な関連性が示されました。レポートでは人件費を極限まで抑える構造が人権侵害を招く要因の一つであると分析されています。
こうした問題が起きる背景には模倣品ビジネスの構造があります。人件費を極限まで削減することで利益を確保する仕組みは、強制労働や児童労働と結び付きやすい構造を生み出します。模倣品は単に安い商品の問題ではなく、その安さが誰かの権利や尊厳の犠牲の上に成り立っている可能性があるということです。
さらに、2025年公表の「Mapping Global Trade in Fakes 2025(2025年版 世界の模倣品取引の実態)」によると、2021年の模倣品の世界取引規模は約4,670億ドルに達しました。EC市場や物流の進化が偽造品の流通を後押ししており、消費者との距離は以前よりも近くなっています。
企業にとって模倣品対策は知的財産を守るだけでなく、サプライチェーンの透明性や人権デューデリジェンスへの対応という観点からも重要性が高まっています。
また、消費者も無関係ではありません。模倣品を購入・使用することは単に個人の利用にとどまる話ではなく、強制労働・児童労働につながる可能性があるということを頭の片隅に置いていただきたい視点です。
本物を選ぶという行動は品質や安全性だけでなく、そこで働く人々の尊厳を守ることにもつながります。これからのブランド価値は、製品そのものだけではなく、その背景にあるサプライチェーンまで含めて評価される時代になりつつあります。
-----
模倣品に関するお問い合わせ・ご相談は、弊社お問い合わせフォームから日本語でお気軽にご連絡ください。
https://www.t-security.com/ja/contact-us





