
「偽物はどこで売られているのか?」
この問いに対して毎年世界規模で答えを示しているレポートがあります。米国通商代表部(USTR)が公表する「Review of Notorious Markets for Counterfeiting and Piracy」です。
公表時期は不定期ですが、実務的にはほぼ毎年1月〜3月頃に公表されるのが慣例です。今年は3月3日に公表されました。このレポートは、模倣品や海賊版の流通を助長している市場やオンラインプラットフォームを世界規模で整理したものです。
2025年版では以下の合計69の市場が取り上げられました。
・オンライン市場:37
・物理市場:32
ここで重要なのは、このリストは違法と断定するものではないという点です。ただし、以下の理由で世界的に注意が必要な市場として名前が挙がります。
・模倣品が大量に流通している
・海賊版コンテンツが配信されている
・権利侵害への対策が不十分
言い換えるとこのレポートは、模倣品が生まれやすい場所の地図のようなものです。今回のレポートを読んで改めて感じたのは、 模倣品は消えず、場所と手口は毎年変わるという点です。
例えば以前は、「工場 → 市場 → 観光客」という流れが中心でした。しかし今は、「工場 → EC → SNS → 越境配送」という流れで、世界中の消費者に直接届く時代になっています。
今回のレポートではオンライン市場や違法ストリーミングが重要なテーマとして取り上げられました。模倣品対策はもう市場を取り締まる話ではなく、デジタル流通をどう管理するかという問題に変わっています。
特にライブスポーツの海賊版は、価値があるのは中継している時間だけという特徴があります。通常の物品と異なり、価値の持続時間が極めて短いため、この短時間でどのような対策を取るかはメディア企業にとって大きな課題です。
ブランドが世界で販売される時代。偽物もまた、世界で流通します。だからこそ重要なのは、偽物が出てから動くことではなく、偽物が出る構造を理解すること。このレポートは、そのヒントを毎年教えてくれます。
模倣品対策はブランド価値を守る経営テーマなのかもしれません。
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